NETの薬物療法

薬物療法には、腫瘍が大きくなるのを抑えることと、症状の改善を目指す2つの目的があります。

腫瘍が大きくなるのを抑えたり腫瘍を小さくする目的の薬には、「化学療法剤(アルキル化剤など)」、「分子標的薬」、「ソマトスタチンアナログ製剤」があります。症状の改善を目指す薬には、「ソマトスタチンアナログ製剤」、「対症療法薬」があります。

腫瘍を小さくする薬

化学療法剤(アルキル化剤など:ザノサーなど)
血液を介して全身に行きわたり、体内の癌細胞を殺すことで、腫瘍が大きくなるのを抑えたり、腫瘍を小さくする効果があります。
分子標的薬(アフィニトール、スーテント)
ゲノム・分子レベルで腫瘍細胞の特徴を認識し、癌細胞のみを狙う薬です。腫瘍が大きくなるのを抑えたり、腫瘍を小さくする効果があります。
ソマトスタチンアナログ製剤(サンドスタチンLAR)
腫瘍から分泌される過剰なホルモンの働きを抑え、ホルモンによる異常な症状を改善するとともに、抗腫瘍作用も認められています。

ホルモン症状の改善を目指す薬

ソマトスタチンアナログ製剤(サンドスタチンLAR)
腫瘍から分泌される過剰なホルモンの働きを抑え、ホルモンによる異常な症状を改善するとともに、抗腫瘍作用も認められています。
対症療法薬
機能性NETのそれぞれの症状を改善するために、様々な薬が使用されます。たとえば、インスリノーマの低血糖の症状に対する高インスリン血性低血糖症治療薬(ジアゾキシドなど)や、ガストリノーマの消化性潰瘍に対するプロトンポンプ阻害薬(パリエット、ネキシウムなど)があります。

薬物療法と併せて、局所療法や放射線療法などを行うこともあります。詳細は医師にお問い合わせください。